三大始祖とY染色体

サラブレッドの父系に更なる科学のメスが入ってしまいましたね。

速報的に雑感を(後で詳しくまとめます)

 

①三大始祖は、何れもトルコ系のY染色体を持ち、その中でも三頭ともごくごく近い関係にあるらしい。このタイプはアハルテケにとても多く、アラブ馬とは少し距離がある。

バイアリータークはTb、ダーレーアラビアンはTb-d、ゴドルフィンアラビアンはTb-gというハプロタイプY染色体を持っていたと考えられる。なおTbはアハルテケの主要なハプロタイプで、Tb-dやTb-gはそのサブタイプである。

ゴドルフィンアラビアン系Tb-gとバイアリーターク系Tbは、少なくとも19世紀以降、ダーレーアラビアン系Tb-dについては18世紀以降、一部(④で後述)を除いて入れ替わったりしていない模様。牝系がメタクソだったのでもっと酷いかと思っていたが一安心。

セントサイモン系Tbは、ダーレーアラビアン系Tb-dではない。未知の第四始祖の可能性もあるが、時期的に三大始祖以外の父系が生き残っていた可能性は低く、キングファーガスの父がヘロドTb、ハンブルトニアンの父がハイフライヤーTbとかその辺の入れ替わりだろう。当時マイナー種牡馬だったWhitelock辺りもかなり怪しい。

⑤(現在クォーターホースに残る)Peter McCue系(血統書上はフロリゼル系分枝)はヘロド系Tbではない。Peter McCue系内部でもハプロタイプが一致しておらず、Old sorrel系Tb-dはダーレーアラビアン系の古いタイプTb-d、Sheik系Tb-gはゴドルフィンアラビアン系Tb-gの古いタイプがそれぞれ別々に混入したのではないか。クォーターホースの初期血統は信用できなさそうである。