世代比較(1983年~2019年生まれ)

東京大賞典が終わったので定例の世代比較です。

 

まずは全体

賞金額変動の影響を減らすため、各年ごとに「(JRA重賞賞金+それ以外の国際グレードレース賞金)÷(JRA重賞賞金+東京大賞典賞金)」を計算し、世代別各年齢ごとに積み上げるという形式をとっています。

JRA重賞+地方海外の国際グレードレース

全体の賞金はそれほど伸びていないのに有馬記念の賞金が増え続けているため、ここで3歳がワンツーを決めると影響が大きいです。

2018年生まれの4歳はダートで苦戦し(3歳や7歳にすら負けている)、昨年の勢いを考えれば大人しめです。

2017年生まれの5歳コントレイル世代ですが、ダートを中心に荒らしており、芝や海外でも4歳を上回る賞金を得ています。

2016年生まれの6歳は重賞で堅実に入着し、累計100%ラインに近づいてきています。

2015年生まれの7歳アーモンドアイ世代は、7歳としては記録的な重賞勝利数を上げましたが、障害馬が非常に弱く(史上最低水準)、思ったよりは伸び悩んでいます。

降級廃止の丁度狭間の世代にあたるため条件馬の出走数が少ない、比較的変動の少ない条件戦での獲得賞金が他の世代に比べてこの世代のみ2割も凹んでいるという特徴もあり、障害馬の弱さはこれに関連しているのかもしれません。

ただしこの集計では海外を含んでいるため、それを埋め合わせる形になり、累計では頭一つ抜けだしています。

1982年生まれ世代(ミホシンザン世代)は示していませんが、4歳以降だけで100%を超え、3歳でも重賞6勝と思ったより強い世代かもしれません。

 

一応牡馬と牝馬を分けたものも。

上が牡馬、下が牝馬です。

牡馬と牝馬

2015年生まれ世代はビリーバーの勝利で安泰かと思われましたが、2016年生まれ世代がこれを上回り牝馬の獲得賞金率が史上最大になりました。この世代、牡馬に関しては史上最少ペースでしたが、こちらも最下位は脱出しそうです。

牡馬の上位は僅差ですが、1985(105.7%)>2002(105.3%)>2009(104.2%)の順。

 

 

昔より最近のほうがレベルが高いだろうということもあって海外レースをボーナスとして加算していますが、試しにJRA重賞以外を除外するとこうなりました。

2015年生世代(アーモンドアイ世代)が海外分で19.9%も加算しており、これを除くと1985年生まれ世代(オグリキャップ世代)と2009年生まれ世代(ジェンティルドンナゴールドシップ世代)を下回りました。もっとも後者とは差が僅かなため、逆転はありそうです。

これらの世代は障害レースが強いため、これも試しに除外したものも下に置いておきます。

JRA重賞のみ

 

障害レースも試しに除外するとこのようになります(JRA平地重賞/JRA平地重賞)。

思ったより障害レースは世代レベルを左右しているようで、1985年生まれ世代(オグリキャップ世代)が障害で21%も加算、2009年生まれ世代も10%を超える賞金率を障害で得ているのに対して、2015年生まれ世代は2%に過ぎず再度逆転しています。1985が減らした一方で1987年生まれ世代(メジロマックイーン世代)は2位となりました。2002年生まれ世代(ディープインパクト世代)も障害で17%稼いでいたようで、順位を落としました。

JRA平地のみ

 

※いずれの集計も中央馬+地方馬のみ。コスモバルクが獲得した賞金額は加算するが、スノーフェアリーの獲得賞金は加算しない。元JRA所属馬でも、海外移籍後については加算しない。